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2005年6月17日 (金)

【森先生の一言 no3】「フィンランド症候群」

   皆さん「フィンランド症候群」をご存じですか?
 大人にとって耳の痛い話かもしれません。
 今までの関わりを見直すきっかけにしてもらえれば幸いです。

 フィンランド保健局は40~45歳の管理職を対象に、定期検診、栄養チェック、運動、たばこ、アルコール、砂糖の摂取抑制をしてもらい、15年間にわたり追跡調査を行いました。同時に同じ年齢、職種の人々を選び、そちらには何も制約を与えず、ただ定期的に健康調査をして、両方の比較をしました。
 その結果、心臓血管系の病気、高血圧症、死亡、自殺、いずれも一方が少いというデータを得ました。そして、それは当局の意に反して、何も制約を与えていないグループだったのです。
  その結果に驚いた保健局は、どうして健康的・理想的な生活行動が有害な結果に終わったのかを考えてみました。
 そこで得た結論は、治療上の過保護と生体の他律的な管理は健康を守ることにならず、逆に、「依存」「免疫不全」「抵抗力の低下」をもたらしてしまうということでした。さらに、医療においても、個人を保護し責任を免除することは、自我の確立を妨げることとなり、結果として不健全な状態をもたらすと説明しています。 

 つまり、他人によって管理されすぎること、自発性を奪われることは、かえって「マイナス」だったということなのです。

 私たち大人にも同様なことが言えるのではないでしょうか。

 大人が子供を管理しすぎることは、自主性・自発性を奪い、状況対応能力を低下させてしまうということです。そして子供の中には大人の指示だけに従えばいいと錯覚を起こしてしまう恐れがあります。
 大人は子供に対して「任せる」という勇気を持つことも「大人のスキル」なのです。
 注意しなければならないのは、「任せる」ことと「放任」は違うということです。ですから、行動には必ず目的がついてくるということを、子供に認識してもらうことが大切なのです。勝手な判断で行動されたら、「任せる」ではなく、単に治外法権の世界になってしまします。
 大人は子供の行動を規制するのではなく、「考え方」を整理してやることが必要なのです。
  大人は、子供を取り巻く問題を片づけてやるのではなく、その問題を解決できる力を身につけさせていくことが仕事なのです。

6月 17, 2005 先生の一言 |

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コメント

私の親は小さい頃から「放任主義」でした。
でも、長~い鎖のついた首輪を付けられている状態でした。
ある程度は見て見ぬ振りをし、これ以上ほっておくといけないって時に「くっ」と鎖を引っ張ってくれました。
子供ながら「これ以上はいけない」などと考えるようになりました。
あれもこれも「駄目」って言われた事はないので、自分なりに境界線を作っていました。
社会人になっても、自分で考える癖がついていました。
それに、学生時代はそれなりに自分の好きな事をやらせてもらったので楽しく過ごせたし。
この歳になって、うちの親の育て方には感謝しています。
お母さん。ごめんなさい。もう時効ということで。。。
高校時代は、いっぱい心配かけました。
    *    *    *
みなさん。他人に迷惑をかけない程度に「やんちゃ」になって下さい!
高校時代って、人生で一番輝いてる時だから!!

投稿: chibisaru | 2005/06/18 2:37:59

森先生のおっしゃるとおりだと思います。
ただ、現実の問題として、子供たちが成長してゆくためには時が必要です。必要な時は同じ学年の同じバスケ部の部員であっても、一人一人本当に異なります。
それを待つことが許されないことが多いし、待てない大人が多いように感じます。
社会の仕組みとして、強豪校の高校バスケならば入学から1年半~2年半ほどで結果が出せる選手の育成が求められます。そこである程度の結果が残せなければなかなか理解はもらえないのではないでしょうか?
子供たちの心の成長と現実的な結果とは必ずしも一致しません。部活の指導を長年されている森先生ならば、そのあたりのところで子供たちと接する部分以外でのご苦労も多々あろうかと思います。
待つことは辛いことですが、その時にただぼんやり待っているのではただの放任ですし、そこが辛抱できなくて何か言いたくなってしまう。でも、そこで何か言ってしまうと「主体性」を奪ってしまうことにもなりかねない。とても難しいところです。
そうした中で、お話にあった「目的」ということがそれを解決してゆく1つの可能性のように思いました。
しかし、これとて生徒の成長は一歩一歩ですもんね。待つことはなかなか苦しいものです。。。
こちらは北九州ですのでなかなかお話を聞く機会を得ませんので、こちらでの更新を楽しみにしております。
長々失礼いたしました。

投稿: Viento | 2005/06/26 18:25:42